数年前、一般的な名称として、【バイオリン】と言う言葉を使い始めました。
それまで私はずっと【ヴァイオリン】だったのですが、
一般の方にはまだまだ【バイオリン】の方が親しみ易く、メジャーである事から、
【ヴァイオリン】を止め、HPなどの全ての表記を【バイオリン】に直しました。
それから数年が経ち、世の中も随分と変わってきて、【ヴァイオリン】と言う文字もよく見るようになりました。
そして何より【篠崎バイオリン教本】や【鈴木鎮一バイオリン指導曲集】が改訂と共に、どちらも【ヴァイオリン】に変わりました。
そして何より私自身がどうも慣れず、気持ち悪くて仕方がありませんでした。
楽器を始めた頃からずっと【ヴァイオリン】だったので、ここ数年は違和感続きでした。
ついヴァイオリンと書いた物を、わざわざ【バイオリン】に書き直す事もよくありました。
そんな事をしてまで意地を張るのも馬鹿らしくなってきたので、この際【ヴァイオリン】に戻す事に致しました。
色々と右往左往してしまい、申し訳御座いません。今後は全て【ヴァイオリン】に統一しようと思います。
幸い教室名に【バイオリン】は入っていないので、そこの変更が無いのは幸いでした。
この【ヴァイオリン】について、いつも思い出す話があります。
それは私が講師になりたての頃、初めて教えた小学生の女の子がある日、
「ねぇ先生、ヴァイオリンって、【う】に点々に小さい【ァ】でしょ?」
『うん、そうだね。それがどうかした??』
「でも学校の皆んなは【バイオリン】って言うよ?何で??」
『そうね、バイオリンって言うね。本当は【ヴァ】の方が正しいんだけれど、そっちだと書き難いし、言い難いから【バ】ってなっちゃうんじゃないかな?』
そう話すと、その子は
「ふーん。皆んなヴァイオリンの本名知らないんだね。」
と、ちょっと誇らしげに言っていました。
本名って…(笑)子供は面白い発想をするものだなぁと思った、懐かしい思い出です。
あれからもう25年以上も過ぎ、その子も今では30過ぎに。今頃何をやっているだろうか?
ヴァイオリンは早々と辞めてしまったけど、元気にしているだろうか?
教えた全ての生徒の事を覚えている訳ではないが、印象深かった人の事は時折思い出したりしています。