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先日のブルグミュラーに続き、今回はシューマンのユーゲントアルバムについてです。
「ユーゲント」とはドイツ語で「青春」とか「若さ」と言う意味で、この作品の場合、『子供のためのアルバム』と訳されます。
子供のためのアルバムは、他にもチャイコフスキー、カバレフスキー、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ、ギロックなどにありますが、
ドイツ人作曲家の作品はシューマンくらいなので、『ユーゲントアルバム』と言えばシューマンの作品の事を指します。
子供の頃、このアルバムにある『楽しき農夫』と言う曲が好きでよく弾いていた事を覚えている。
しかし私自身このアルバムをレッスンされた事は無い。またレッスンでこのアルバムを使用する事も無かった。
原因としてはやはり同レベルのブルグミュラーが圧倒的に強いからであろう。それに作品の内容もブルグミュラーの方が圧倒的に分かりやすい。
一方ユーゲントアルバムは、技術的レベルはブルグミュラーとあまり変わりが無いが、音楽の内容は少し難しい。ドイツの子供の方が日本よりかは少し大人なのかな?とも思う。
レッスンの現場では、現在使用しているピアノ曲集などに、『楽しき農夫』をはじめ、『勇敢な騎士』『初めての悲しみ』辺りは必ず含まれているので、それを使用しておしまい。と言う事が殆どである。
多分、他のお教室でもユーゲントアルバムを丸々使う先生は少ないのでは無いか?と思う。
理由としては、やはり先に書いた様に少し音楽的には難しいと言う事と、一冊の中で結構レベルの差があると言う事だろうか。
指導者になってから、初めてこの曲集を手にして初めて知った事なのだが、実はこの曲集、2つに分かれているのだ。
第一部と第二部に分かれており、第一部は「小さい子供の為に」第二部は「大きな子供の為に」と書かれている。
第一部はバイエル終了レベルからブルグミュラーレベルで弾ける易しい曲が含まれているが、『サンタクロース』や『愛する5月よ』などは相当難しい。
『愛する5月よ』なんて、普通にシューマンのピアノ曲って感じで、音楽も技術も一級品である。
一方第二部は「大きな子供の為に」と書かれている様に、少し大きくなった子供、青年の為に書かれている。
曲も長くなる上に、内容も深くなっており、かなりレベルは上がる。
子供の為のアルバムと言うよりも、普通に小品を集めたピアノ曲集と言って過言ではなく、とてもブルグミュラーレベルで弾ける曲では無い。
何より音楽が少し難しい。いわゆる普通のシューマン作品を弾く時と変わらない難しさがあり、普通に一曲だけ『子供の情景』や『森の情景』、『幻想小品集』などのシューマンの代表作の組曲に紛れていても、何ら違和感の無い作品が多い。
となると、敢えてこのアルバムをやる必要があるのか?と言う事になり、使用頻度は低くなってしまうのではないかと言う。
このアルバムを丸々使うとか、後半の曲を弾いた事がある。なんて人は極僅かだろうなぁと思う。
あとこのアルバム、連続使用が難しい。
第一部でも前半と後半の曲に難易度に開きがあるし、第一部と第二部の間にも開きがある。
その上難易度もバラバラなので、使う側は大変だ。
そうなるとやはり抜粋で使う事になるとは思うが、前半の有名な物は色々なテキストに含まれているとなると、そこで済ましてしまうと言うのが多いのも致し方ないのかもしれない。
第二部なんかは、是非大人の生徒さんにチャレンジして貰いたい曲が多い。シューマンの奥深い音楽への導入としては、なかなか最適ではないか?と思っている。